8789フィンテック・グローバルIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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フィンテック・グローバル(8789 マザーズ)IPO

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セクター:その他金融業
不動産の証券化事業を中心に、今後の高い事業成長が期待できる
 ブティックタイプの債権・不動産の証券化・流動化を手掛けており、時流に乗った形で業績は急拡大している。05.9期は売上高・利益共に前期のほぼ倍増となる見通しを会社側は発表している。中間決算の状況を見ると、この会社予想にも妥当性があり、翌06.9期にも、大幅な業績拡大を見込んでもよいと考えられる。05.9期の予想EPSは約9千円に留まるが、今後の大幅な利益拡大が期待される形で非常に高いPERがつくことが想定される。

事業概要
ブティックタイプの債権・不動産証券化業務
 当社はストラクチャードファイナンスに特化したブティック型インベストメントバンクとなっている。主な事業は、ストラクチャードファイナンス分野における案件のアレンジメント(組成)を専門的に受託する投資銀行業務と、各種金融取引におけるファイナンスリスクを国内外の保険市場に移転させる「金融と保険の融合業務」である信用補完業務、及びこれらに付帯するその他の業務の3業務によって構成されている。

 投資銀行業務は、アレンジメント業務とプリンシパルファイナンス業務によって構成される。アレンジメント業務としては、金銭債権からのキャッシュフロー給付を証券化するものや、不動産の将来価値を担保とした証券化等がある。当社売上は、業務委託契約に基づくアレンジメント手数料として案件実行時点に計上し、ほとんどが成功報酬タイプとなっている。アレンジメント案件の組成状況は表1の通りで、不動産の証券化を中心に増加している模様。信託銀行・都市銀行等の投融資機関の違いについては、その他に自己融資が含まれている点を除けば、銀行の種別に特段異なる点はないと思われる。

 プリンシパルファイナンス業務は、当社自身が資金供給者(投資家またはレンダー)としてストラクチャードファイナンス案件に対して投融資(メザニンローン、匿名組合出資など)を行う。当社売上は、営業貸付金からのローン手数料を含んだ金利収入及び匿名組合からの利益配当となる。

 信用補完業務は、証券化や各種ストラクチャードファイナンスの仕組み上に存在するリスクを保証などの形態で保険会社に引き受けさせ、仕組みの安定化を図るもの。当社では、この信用補完を案件組成に取り入れた証券化などのアレンジメントを推進している。

 以上を通じた事業展開の結果として、事業部門別の販売実績は表2の状況である。投資銀行部門を中心に大きく売上高が増加している。また、表3には大口販売先顧客を記載している。03.9期には大手顧客3社で売上高の約75%を占めるという不安定な状況であったが、04.9期には顧客先が分散され、個別に計上がされていない状態に改善されている。とりあえず、少数特定の顧客からの受注に依存する体質からは脱却している様子である。

収支の状況
自社の資産規模に依存しつつ、業容を急拡大し黒字化を達成
 売上高の増加によって、04.9期から、ようやく単年度決算が黒字化した状態である。03.9期には、売上高がまだ少額であったことに加えて、前期損失修正額として49百万円を特別損失に計上したことから、多額の当期損失を計上する結果となった。この特別損失の内容は、過年度棚卸資産の償却とされているが、詳細は不明である。

 当社業務は、自社の資産規模に大きく依存する体質となっており、事業の拡大に歩調を合せて、BSも肥大化している。03.9期から04.9期にかけて、総資産で約10倍に相当する約13億円の増加となっている。この内訳は、BS左側では、現金及び預金で約7億円、営業貸付金で約6億円、営業匿名組合出資金で約5千万円の増加となっている。営業貸付金の内訳は、当該年度の主要顧客であるデュープレックス・サーティーンス等である。これらに対応して、BS右側では、UFJ銀行からの営業借入金約6億円、資本の部で約7億円増加している。基本構造は、事業拡大に伴ってUFJ銀行から借り入れた資金を当社顧客に転貸した形である。

 また、04.9期には黒字化され多額の当期利益を計上しているが、前期までの業績不振に伴って消費税の免税業者となったことと、税務上の繰越欠損の利用(19.7%の低下)による実効法人税率の低下(実際の適用税率は23.6%)によるものである。消費税と法人税の減免効果は、05.9期には解消されると想定されるが、会社側が発表している05.9期業績予想でも、当然これを織り込んでいる模様である。

株式の状況
ストックオプションによる希薄化効果は10%未満
当社は、04年12月に1:5の株式分割を実施し、05年3月末時点での発行済み株式数は、60,950株となっている。これに今回上場にあたっての公募が6,000株あり、更に表5に掲げるストックオプションの未行使分が存在する。ストックオプションの全数を潜在株式として認識し、上場時点での想定発行済み株式数は、73,950株とした。

【表5 新株予約権の未行使残高の状況】
株式数 行使価格  行使期間
2,000株 10,000円  03.12月〜11.12月
5,000株 80,000円  06.7月〜14.6月

情報開示の状況
よく整備されたHPで、高い情報開示水準が今後期待される
当社HPには、既に投資家向け情報開示のページが開設されている。内容的には、財務データと上場関連の書類・ニュースリリース等が閲覧できる程度だが、上場以前の段階での整備状況としては、優秀な部類に入る。今後の積極的な情報開示も期待できる。


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