8384東京スター銀行IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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東京スター銀行(8384 東証)IPO

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セクター:銀行業
業績は、非常に安定的、公募価格には適切なディスカウント
 業績はいたって安定しており、下振れも上振れもほとんど考慮する必要は無いと考えられる。過去の決算期とほぼ同水準のEPS約2万円が、当期の予想値と考えて問題ないだろう。

一方、PERについては、銀行業種の東証平均PERは一部・二部ともに30倍を超えているが、経営再建途上で、今後ある程度の利益増加が期待できる他行と、既に決算上では再建済みと見做せる当行では、状況が異なると考えられる。また、年に数件規模の大型上場であり、需給面での強みも無いと考えられる。このため、当行の場合には、PER25倍前後と考えたほうが無難と思われる。この場合の想定株価は、50万円程度となり、想定公募価格帯35万円には、一定の割安感はあると考えられる。

事業概要
旧東京相和銀行
 当行グループは、当行と概SBキャピタル等の連結子会社3社で構成され、銀行業務を中心に、クレジットカード業務などの金融サービスに関わる事業等を行っている。旧東京相和銀行。

 銀行業務では、当行本店のほか支店及び概SBキャピタルにおいて、預金業務、貸し出し及び債務保証業務、内国為替業務、外国為替業務、有価証券業務、商品有価証券業務、ノンリコースファイナンス業務、DIPファイナンス業務、投資信託・保険商品販売業務などを行っている。店舗数は、32支店、2出張所。

 クレジットカード業務では、当行はMastercard International社から3ブランドのプリンシパル・メンバーシップを取得し、当行独自のクレジットカードTOKYO STAR CREDITを発行している。
 その他業務としては、連結子会社において担保不動産競落業等を行っている。また、連結子会社でキャッシュディスペンサーの運営業務を行っていたが、ATM事業の合理化に伴い、05年6月に業務を担当していた連結子会社の特別清算手続きを行っている。

収支の状況
非常に安定的に推移しており、会社予想の達成確度は高い
 事業状況は、過年度の3決算期について見ても、ほぼ横ばいであり、当06.3期の会社発表業績予想も、同じく同水準を維持する計画となっている。

 事業内容としては、個人対象に期間限定で導入した中長期預金が好調、ノンリコースローン・企業再生ビジネスへの取り組みを図っている。店舗面では、大阪支店、名古屋出張所を開設し、取引拡大を進めている。

国内業務部門の利ざやが表1のように縮小している懸念はあるものの、貸出金残高・ローン残高は順調に増加しており、自己資本比率も特に問題の無い水準となっている。全体としての業績は、良くも悪くも振れる要素が見当たらず、会社発表通りの業績で推移する可能性が高い。

リスク情報〜大株主からの株式売却リスクと追徴課税等
 当行大株主であるLSF-TS、LSF-Tokyo Starの2社の株式保有シェアは合計で66.7%を超えている。この2社が保有する株式には、両社が発行する社債を被担保債権として質権が設定されており、この社債についての期限の利益が失われた場合には、社債受託者から質権が実行され、両社が保有する当行株式が売却される可能性がある。

ただし、目論見書にはリスク情報として記載されているものの、両社の社債の期限の利益喪失の可能性は高いとは考えられず、また、株式売却の場合にも、市場で株価に影響が出る方法で売却されるとは限らないことから、当リスクを重要視する必要性は低いと思われる。

 また当行は、02.3期から04.3期までの法人所得税について更正処分を受けており、05年6月にその旨の通知書を受領している。処分内容は、3期分を合計して約88億円の追徴課税、約16億円の加算税・延滞税の支払いを求めるものとなっている。
 当行では追徴課税・加算税・延滞全の全額の納付を完了の上、国税不服審判書に審査請求を行っている状態。決算上でも、必要な措置は講じられている模様であり、当期の業績予想に、この件が今後影響を与える可能性は低いと考えられる。

株式の状況
売り出しのみで公募無し、ストックオプションは希少
 当行は、05年9月に1:5の株式分割を実施し、発行済み株式数は、70万株となっている。上場にあたっては、売り出しのみで、公募は計画されていない。また、下表のようにストックオプションの交付はされているものの、行使条件については取締役会で決定するとされているだけで、具体的な行使条件は目論見書に記載されていない。以上から、現時点での発行済み株式以上に新株が発行される可能性は低いと考え、上場時点での想定発行済み株式数は、70万株とした。

 売り出しは、国内分約129千株、海外分約69千株、オーバーアロットメント約13千株の計211,405株が予定されている。当行と売り出し人には、180日間のロックアップが付与されているので、06年4月までは、市場で流通可能な株式は今回の売り出し分の約21万株に限定される。(上記のようにLSF-TS、LSF-Tokyo Starの社債がデフォルトとなった場合を除く。)

【表2 ストックオプション未行使残高の状況】
総会決議   対象株数       行使期間     行使条件
05年6月 1,400株(分割前) 07年7月〜10年6月 取締役会で決定

 想定公募価格35万円ベースでの市場からの資金調達額は、700億円を超える。単元数でも21万単元強あり、金額・枚数共に大型の上場案件となる。

情報開示の状況
現在のところ、不十分
 当行のウエブサイトには、投資家向け情報開示のページは設置されていない。株式関連のデータは、業績予想と今回の売り出しの件についてのニュースリリースが閲覧できるだけとなっている。つまり、ほとんど企業情報が開示されていない状態である。このままでは、東証上場企業としての開示水準とは言えない状況であり、早急な情報開示体制の整備を希望する。


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