6662IRIユビテックIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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IRIユビテック(6662 ヘラクレス)IPO

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セクター:電気機器
売上高の伸びには不透明感、親会社の保有株シェアの高さがリスク
 04.6期の当期利益には有価証券売却益が反映されているため、05.6期会社予想は、実質的には減収増益の見通しとなっている。減収に関しては、シャープを主とした液晶メーカーの製造動向に依存する構造となっており、先行きの売上高にも不透明感がある。

 また、親会社であるインターネット総合研究所の保有株シェア約90%が公募・売出しだけではほとんど低下しないシナリオとなっており、上場後の株価動向に大きな影響を与える可能性がある。

事業概要
液晶テレビ等向けの映像エンジンシステムの開発・生産
 当社の事業は、イメージングテクノロジーを中心とする映像事業、センシングテクノロジー・セキュリティコアテクノロジーを中心とする画像事業、ネットワーキングテクノロジーを中心とするモバイル・ユビキタス事業の3事業に分類される。事業領域は、製品やサービスの企画段階におけるコンサルティング・開発から、試作品・量産品の生産までとなっている。生産については、当社は自社の製造設備・工場を持たないファブレスメーカーで、国内・海外の製造委託工場で生産を行っている。

 映像事業については、液晶TV、液晶プロジェクター、リアプロジェクションTVなどのデジタル情報家電向け映像エンジンシステムの開発・生産を受託している。

 画像事業では、主にATM・CDに内蔵されている主要なモジュール・システムの開発・生産を受託している。この技術の応用範囲は、複写機等OA事務機器、ATM端末、監視カメラ、内視鏡や遠隔医療等の医療機器に広がっている。

 モバイル・ユビキタス事業では、携帯端末の機能・性能の評価を行う品質管理業務、電子カルテシステムの開発・販売、「よみとも」や「Careerwave」等のパッケージ・ソフトの開発・販売等を行っている。

収支の状況
シャープ向け販売に依存大、05.6期は大幅減収の見通し
 05.6期の予想業績は、前04.6期と比較して、落ち込む想定となっている。売上面で、画像事業については、センシングモジュール等の販売が好調だが、最も販売高の大きい映像事業について、液晶プロジェクター向けの映像エンジンの量産が伸び悩み傾向にあり、この事業部門の販売進捗は、04.6期と比較しても大幅に遅れている。(表1) この傾向は、表2に現れている通り、シャープ向けの売上高が減少していることが要因となっている。

 05.6期会社予想についても、映像事業関連の売上高が減少することから、対前期比約30%マイナスの減収見通しとなっている。

 なお、04.6期の当期利益が前期と比較して2倍以上に増加しているのは、親会社(インターネット総合研究所)株式の売却によって117百万円を特別利益に計上した結果、特別損益のネットで約100百万円を利益計上していることによるもの。

株式の状況
ストックオプション等による希薄化効果は約10%
 当社は05年2月に50:1の株式併合を実施し、05年3月には発行済み株式数が16,312.9株となった後、5月13日までに新株予約権が249株行使され、16,561.9株となっている。今回の上場にあたっての公募分が600株あり、更に主幹事証券である日興シティグループに対して第三者割当増資によるグリーンシューオプションが200株を上限として付与されている。これに加えて、下表の通り、未行使のストックオプションの残高が1,440株(5月13日までに行使されたものを除くと1,191株)ある。以上を合計して、上場時点での想定発行済み株式数は、18,352.9株とした。ストックオプション等による希薄化効果は約10.8%となり、それほど大きくは無いが、無視も出来ないレンジになる。

【表3 新株予約権の未行使残高】
決議年月 行使株式数 行使価格  行使期間
04年6月   894株  112,900円  05年6月〜14年6月
04年9月   146株  250,000円  05年3月〜14年9月
04年12月  400株  250,000円  06年12月〜14年11月

親会社保有株式〜売っても売らなくても、他の株主にとってはリスク
 親会社であるインターネット総合研究所(IRI社)は、05年5月時点で15,042株を保有する筆頭株主である。上場に際しては、売出し600株に追加して、既存株主保有分からの売出しの可能性が200株分ある(売出しは最大で計800株)のだが、これには第三者割当増資によるグリーンシューオプションが付与されているため、実質的には増資である。上場直後にIRI社が市場売却をしなかった場合、IRI社の持株比率は、ストックオプションが行使されない前提では、約91%となる。これは異常な高率であるため、上場後には、IRI社が持ち株の一定数を売却することが想定され、大きな売り圧力となる可能性がある。

 一方で、IRI社が上場後も保有株式を売却しなかった場合だが、ヘラクレス・スタンダードの上場廃止基準に、「浮動株時価総額(上場株式数から役員の持ち株、発行済み株式数の10%以上を保有する主要株主の持ち株数と自己株式数を控除した株式数に日々の終値を乗じた数値)が30営業日連続して5億円未満である場合において、以後6ヶ月の間に5営業日連続して5億円以上とならないとき」の項目がある。浮動株が3,000株程度であった場合には、株価が約17万円を下回ると、上場廃止基準に抵触する可能性が出てくる。

情報開示の状況
今後は整備される予兆はあるが、情報開示は現時点では無い
 当社のHPには、投資家向けの情報開示ページが設置されているが、05年5月時点では、「工事中」となっている。上場前段階とはいえ、上場承認のニュースリリースなり、なんらかの開示は可能と考えられるが、それほど積極的には開示をしない印象を与えるものとなっている。


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