5456朝日工業IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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朝日工業(5456 JASDAQ)IPO

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セクター:鉄鋼業
足元の好調な業績を今後いつまで維持できるか
 鉄鋼セクターは鋼材価格の上昇等によって、05.3期〜06.3期は非常に好調であり、当社も06.3期には高い業績予想を発表している。ただ、この足元の業績好調がいつまで持続するか不透明であり、業界としてのPERは低い状態が継続している。5449大阪製鐵や5423東京製鐵のPERは5〜8倍程度の水準となっている。

 当社の場合も、06.3期の予想業績がそれ以後も継続できるかについては現時点では不透明であり、05.3期と06.3期予想のEPS約10〜15万円に対してPER8〜10倍の約100〜120万円が安全な株価水準と想定する。

事業概要
農業用肥料等と鉄鋼建設資材の製造販売
 当社グループは、当社・連結子会社4社及び関連会社3社により構成されており、農業資材事業、鉄鋼建設資材事業を主たる業務としている。

 農業資材事業での主な製品は、肥料、園芸資材、種苗、乾牧草等であり、具体的には、@有機肥料を中心とした複合肥料、過燐酸石灰肥料等の製造・販売、Aホームセンター向け・園芸専門店向けの園芸肥料の製造販売・園芸関連商品の卸売り、B自社開発及び海外種苗会社との共同研究により開発した野菜等種子の生産販売、である。

 鉄鋼建設資材事業の主な製品は、異形棒鋼、構造用鋼、ねじ節鉄筋等で、具体的には、@異形棒鋼、二次加工用の構造用鋼の製造販売、A建設継手工法であるねじ節鉄筋の製造販売等。
 その他事業として、土木建築用の砕石・砕砂の製造販売、建設廃材・木くずの中間処理(破砕)、再生骨材、木くずチップなどの製造販売を行っている。

収支の状況
鉄鋼建設資材事業が好調
 当社の事業は、農業資材事業と鉄鋼建設資材事業の異なる2業種となっているが、事業のウエイトとしては、表1のように鉄鋼関連のほうが2:1から3:1の比率でメインの事業となっている。

 05.3期については、農業資材で、肥料事業が同業他社からのOEM生産が拡大したほか、OEMから発展して、全農連・コープケミカル鰍ニの包括的業務提携について合意したこと等で、売上高は前期と比較して、微増となっている。

 一方の鉄鋼建設資材事業については、表2に示すように、近年鋼材スクラップ価格が高騰しているものの、それ以上に製品価格が高騰しているために、原材料と製品との価格差が開いてきている。更に、首都圏での建設需要が好調であったことから高張力鋼・ねじ節鉄筋の販売量も増加したことも寄与して、05.3期の売上高は大きく増加し、利益額・利益率でも非常に高い数値となっている。販売量・販売価格共に好調であったことが、05.3期の好業績に繋がっている。
 その他事業は、再生骨材事業で新たに石膏ボードの処理事業を開始しているが、売上高・利益率では前期と比較して大きな変化は見られない。

 当社の株主資本比率は、10〜20%と比較的低い水準にある。当社の有利子負債残高は表3の通りで、前期末で約133億円あったものが、05.3期末には約98億円まで圧縮されている。更に、上場にあたっての公募による手取り金は全額を有利子負債の返済に充当する計画となっており、これだけで有利子負債残高は約70億円まで圧縮される予定。以上から、財務体質はやや脆弱とはいえるものの、特別に留意する必要はないと考えられる。

 PLに反映されている支払利息も、04.3期423百万円だったものが、05.3期には266百万円まで減少している。04.3期までであれば、支払利息の計上が経常利益水準を押し下げていたが、05.3期以降には、それほど心配する必要はない状況となっている。

 その他の特殊要因として、過去の決算では04.3期に有価証券売却益を179百万円計上する一方、固定資産処分損で140百万円の特別損失を計上することでほぼ相殺、05.3期には、以下表4に掲げる内容で減損損失を計上している。2期連続で不要固定資産の処理を済ましたことで、06.3期には会社予想を見る限り、こうした特殊要因は発生しないと考えられる。

【表4 05.3期に計上した減損損失の内訳(百万円)】
用途  種類 減損計上額  主な場所
遊休地 土地 442百万円 千葉県香取郡、滋賀県甲賀市、群馬県多野郡・藤岡市、埼玉県児玉郡
山林立木 投資その他資産 36百万円 群馬県多野郡

株式の状況
ストックオプション等の希薄化要素は無い
 当社の05年8月時点での発行済み株式数は、20,000株となっている。今回の上場にあたっての公募が4,000株予定されているので、上場時点での想定発行済み株式数は、24,000株とした。

 ストックオプションの未行使等、株式価値を希薄化する要素は、現在のところ無い。
 公募価格70万円ベースでの、公募に伴う当社の手取り金概算は約26億円と想定されており、この資金使途は、全額を借入金の返済に充当する予定となっている。当社の財務体質・有利子負債残高を考慮すると、妥当な資金使途といえる。

 上場時点での売り出しは予定されていない。少数ながら、新光インベストメント等のベンチャーキャピタルが保有している株式は、上場後に市場売却等されることとなる。
 また、当社は04年6月の株主総会で自己株式の取得を決議している。決議内容は1,974株・3億円(1株当り約15万円)。実際に取得したのは、この決議枠のうち974株で、残る1,000株は新光インベストメントから当社が購入する予定だったが、コープケミカル鰍ヨ直接譲渡された。

情報開示の状況
開示レベルは既に高く、今後も透明性の高い情報開示が期待できる
 当社WEBサイトには、投資家向け情報開示のページとしては明記されたものはないが、業績情報等については既に開示されている。ニュースリリースのほか、財務ハイライトや事業報告書も既に開示していおり、今後も高い水準での情報開示が期待できる。


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