5218オハラIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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オハラ(5218 東証)IPO

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セクター:ガラス・土石製品
04年10月期実績は出来すぎか?05年4月中間期ペースでは前期並み業績となる
 ガラスの製造・販売が主力だが、むしろ、デジタル関連製品の市況に業績が左右されると考えられる。業績面では、05.10期は堅調に推移しているものの、前期並みの利益水準となる進捗ペースとなっている。また、株式の需給面でも、大型上場であり需要過多は見込みにくい。

 こうした背景を考慮すると、今期の想定EPS300円に対して、PERは15〜17倍程度が妥当と考えられ、株価水準は約5,000円近辺と想定される。
 デジタル関連の業績が上振れすることが見込めるとすれば、PER20倍の6,000円でも妥当であろうが、現時点での織り込みにはリスクがある。

事業概要
光学機器・情報機器向けガラス素材の製造・販売
 当社及び当社の関連会社は、当社、子会社9社、関連会社1社、並びにその他の関係会社であるセイコー梶Eキヤノン鰍ナ構成されており、光学及び情報機器向けガラス素材の製造・販売を主たる業務としている。当社は主に素材の生産・販売と製品の販売を、子会社及び関連会社は製品の加工・販売を行っている。

 当社グループの事業区分は、@光学製品事業、A情報製品事業、となっている。
 光学製品事業セグメントは、光学ガラス製造技術を基盤として、原料の熔解から各種用途に合わせた成型までを国内外の製造子会社を含めた一貫生産体制のもとで行い、デジタルカメラ、液晶プロジェクターに代表されるデジタル関連製品や半導体製造装置に使用される光学ガラス素材、及びモールドプレス用レンズプリフォーム等の製造・販売を行っている。海外向け販売子会社として、北米向け・欧州向け・アジア向けの3社を有している。

 情報製品セグメント、主にモバイル機器に搭載されるハードディスク装置用ガラスディスク、半導体製造装置、液晶露光装置に使用される低膨張ガラスセラミックス、光通信DWDM(高密度波長分割多重)方式多層膜フィルター用ガラスセラミックス等のガラスセラミックス及び特殊ガラスの製造販売を行っている。
 なお、セイコー鰍ニの営業取引はなく、キヤノン鰍ヘ他の一般顧客と販売条件が同じとなっている当社の顧客である。

収支の状況
デジタル関連製品の市況に左右、足元は堅調
 セグメント別の業績は表1の通りであり、高い売上高利益率を維持しつつ、足元の売上高等も、堅調に推移している。

 04年10月期は、デジタルカメラ・液晶プロジェクター等のデジタル関連製品の需要が好調であったことと、ハードディスク基板材が携帯端末等のモバイル機器へ応用する需要が拡大したことで、売上高は前期と比較して+30%以上の増加となっている。特別損失で固定資産除却損と投資有価証券評価損を計上しているものの、この2項目合計で264百万円であり、全体としては利益面でも大幅増益を達成している。

 05年4月中間期は、引き続きデジタル関連・携帯端末関連の需要等が好調に推移し、更に国内光学機器メーカーの海外への生産移転に伴う海外需要にも対応したことで、04年10月期実績の丁度50%の売上高進捗率となっている。

 海外での販売ウエイトが大きいために、為替変動の影響を受けやすい構造になっているが、北米・欧州よりも対アジア向けウエイトが高いこともあって、各期の為替差損の計上額は1〜2億円程度であり、経営に重大な影響を及ぼす規模には至っていない。また、減損会計については、04年10月期から適用しているものの、具体的な適用物件は発生していない。

株式の状況
ストックオプション等の希薄化要素は無し、大株主にはロックアップ
 当社の05年9月時点の発行済み株式数は、9,725千株となっている。上場にあたっての公募が3,000千株あるので、上場時点での想定発行済み株式数は、12,725千株とした。ストックオプション等の既存株式の希薄化要素は無い。1単元が100株で公募・売り出しの合計が3,200千株であるため、公開時点での割当数は、32千単元となる大型上場案件である。

 想定公募価格4,200円ベースでの公募による手取り金概算額は、約125億円となっている。単元数と共に、市場調達額も大型の部類に入る。手取り金の使途は、光学ガラス製造設備の生産能力増強のための設備投資に約10億円、事務部門の集約化を目的とした事務棟の建設費用に5億円、子会社OHARA DISKのガラスセラミックス製ハードディスク基板材製造設備の生産能力増強を目的とした設備投資向け投融資に約13億円、残額を借入金の返済等に充当する予定となっている。

 つまり、約100億円近くを借入金返済に充当することになる。株主資本比率は50%近い水準となっており、借入金の返済に特に注力する必要は無いと考えられる中で、公募調達資金の大半を借入金返済に投入するということには、やや上場目的の不透明感を感じざるをえない。期末の連結有利子負債残高は、約118億円であり、今回の公募によって、有利子負債はほとんど無くなる計算になる。

 セイコー鰍フ持ち株比率は、公募前段階で約42%、キヤノン鰍ヘ同約24%となっている。
 上位株主10名には180日間のロックアップがつけられている。ロックアップ対象株数は、売り出しを除くと9,105株となり、公募以外の既存株式については、かなりのボリュームがロックアップ対象となっている。大型上場で公募株数自体は多いものの、それ以外の株式の市場放出は公開時点では考慮する必要が無い。

情報開示の状況
平均的な開示水準をやや下回る状態
 当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在の段階で開示されているものは、上場関連の資料だけとなっている。開示に積極的な企業の場合には、上場前であっても、過去数年分の財務ハイライト等業績の推移をグラフィックで表示しており、その点では、当社の場合には、それほど積極的な開示姿勢とはいえない。


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