IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ブロードバンドタワー(3776 ヘラクレス)IPO |
当社と同様に潟Cンターネット総合研究所に属するIRIユビテック(6662)が先日上場したが、公募価格55万円に対して初値は約5倍近い249万円の値をつけた。これは今期想定EPS約14,000円に対して、PER約180倍となる。 当社の成長性は、IRIユビテックと同様、或いはそれを上回る水準と考えられ、当社の実力ベース(法人税支払い想定後)のEPS約18,000円をベースとすれば、PER180〜200倍として、350万円近辺の価格となる可能性がある。
当社は、ブロードバンド環境に重点を置き、インフラストラクチャーからコンテンツ制作までを提供しており、事業内容は、「データセンター事業」と「ブロードバンド事業」に分類される。 データセンター事業では、「スペースサービス」、「インターネット接続サービス」、「監視・運用サービス」を中心に提供している。スペースサービスでは、当社データセンター設備において、顧客企業のサーバを設置する専用サーバラック・電源等の運用環境を提供している。監視・運用サービスでは、当社データセンター設備でサーバ運用している顧客企業のサーバ・ルータに対して、顧客からの指示によって、機器の状態確認、サーバ電源のオン・オフ作業を行うリモートハンドサービス、顧客企業のサーバやネットワークに関する監視・運用・保守サービスを行うMSPサービス等を提供している。 ブロードバンド配信事業では、ネットシネマ、ドキュメンタリー、広告宣伝、PR等のブロードバンドコンテンツの制作プロデュース等を行っている。 潟Cンターネット総合研究所(IRI)は、当社の発行済み株式数の約60%(05年6月)を保有する親会社で、当社を含む同社関係会社とIRIグループを形成しており、当社はグループ内において、IPネットワーク事業に属する会社として位置づけられている。 IRIは「連邦型独立経営」を標榜しており、当社の経営活動の独立性は維持される方針である。グループ内で、当社と競合関係にあるサービスはなく、現時点ではグループ内での合併等の事業再編計画もないとされている。
当社の事業分野別の販売実績は表1であり、データセンター事業が主力となっている。また、同事業の成長率は非常に高いものとなっている。会社予想での05.6期売上高は49億円となっているが、足元の進捗ペースを基にすると、達成可能な水準とみられる。 04.6期には、当社はブロードバンド配信事業を新規に立ち上げ、ネットシネマの企画・制作を手がける潟uロードバンドピクチャーズに出資すると共に、完成作品のネット配信を当社データセンターから配信するサービスを展開した。04.6期中でのネットシネマ制作本数は10本、配信対象数は8本となった。また、データセンター事業では、ヤフー鰍ゥらの受注拡大によるトラフィックの増加等が影響し、前期と比較して約40%の売上高増加となった。 04.12中間期にも、大口顧客へのサービス拡張によるスペースサービスの売上増加により、データセンター事業の売上高は増加し、ネットシネマの制作本数の増加と携帯ダウンロード配信サービスが好調であったことから、ブロードバンド配信事業の売上高も拡大している。 なお、事業全体は順調に拡大しているが、大口顧客であるヤフー向けの売上増加が寄与したウエイトが大きく、主要顧客向けの販売実績をみると、表2のように、売上の約7割をヤフーが占める状況となっている。 04.12中間期時点での未処理損失は、約2百万円となっているため、05.6期末には、累積損失は解消される可能性が非常に高い。これに伴って、これまで実質的にはほとんど発生していなかった法人税等の支払いが開始される。05.6期会社見通しでは、法人税支払いが織り込まれていない模様であり、06.6期から当期利益についての減額要因となる。
当社の05年6月時点での発行済み株式数は、16,729株であり、上場にあたっての公募が2,500株ある。これに加えて、表3に示すストックオプションの未行使残高が1,070株あるため、上場時点での想定発行済み株式数は、20,299株とした。ストックオプションの行使に伴う希薄化効果は約5%程度であり、大きくはない。 【表3 新株予約権の未行使残高】 決議日 対象株式数 行使価格 行使期間 04年6月 818株 160,215円 06年7月〜11年6月 04年12月 148 174,000 06年12月〜11年12月 05年3月 96 174,000 07年3月〜12年3月 05年3月 8 174,000 07年3月〜12年3月 ベンチャーファンドの保有株式数は、ソフトバンク系のVC2社で計4,000株を保有している。公募とストックオプション行使による希薄化考慮後の株式数ベースでは、約20%に相当する。 上場にあたっての公募による当社手取り額の概算は、約20億円(想定価格の中間値ベース)であり、その資金使途は、設備投資に約18億円、借入金の返済に約2億円を充当する計画となっている。
当社HPには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。マネジメントメッセージと、ニュースリリース、財務ハイライトが既に閲覧可能となっている。上場前時点での情報開示水準としては、高いクラスに入り、今後も高い情報の開示水準が期待できる。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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