IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
リンク・セオリー・ホールディングス(3373 マザーズ)IPO |
新規出店を加速させることで、売上高を急拡大している。業態の特徴として上期の営業利益ウエイトが約60%あるため、05年8月期が上期並みのペースで推移する前提では、通期の営業利益は約44億円と想定される。経常利益では40〜41億円、当期利益では20億円強となる水準である。また、EPSは潜在株式による希薄を織り込んで、約25,000円となる。 当社の親会社であり、かつ同業他社であるファーストリテイリング社の足元のPERが17倍だが、当社の成長性はFR社を上回ると想定される。一方で、子会社ディスカウントも想定されることから、PERは17倍程度が妥当と推測される。この場合、想定株価は、42万円となる。
当社グループは、当社及びその子会社27で構成され、婦人服・紳士服・服飾品の企画・販売を主たる事業としている。当社がグループ全体の統括管理会社となり、グループ子会社がそれぞれ、日本・アジア・米国・欧州で事業展開を行っている。 当社グループの販売しているブランドは、主にtheoryとkulsonとなっている。Theoryは当社グループの中心ブランドで、日本国内では20代後半から30代、米国では30代以降の年齢層をターゲットにしている。日本では、国外の縫製工場で生産した商品を一括して仕入れ、百貨店インショップを含む直営店で直接対面販売を行っている。地域別の店舗数は下表の通りであり、日本国内に次いで、米国に店舗数が多い。フランチャイズ店からは加盟料・ロイヤリティは徴収していない。 Kulsonは買収前の米国theory社の元チーフ・デザイナーが立ち上げたブランドで、当社が日本における商標権を保有している。店舗数は05年3月末で直営15店舗となっている。米国においては、ブランドとしての認知が浸透しなかったため、04年12月に販売を休止している。 その他の事業部門として、theoryを中心としたセレクトショップの直営店7店、デニムパンツ主体のカリフォルニアブランドの輸入販売で直営店2店、レストラン2店を展開している。
当社からは、様々な区分での売上高・利益の分析が公表されており、その主なものを表2〜表5に記載している。まとめて言えば、日本国内で新規出店を大幅に加速しており、店舗数の拡大と共に、売上高が増加している。また、新規出店費用が膨らんでいることが想像されるものの、利益率の点でも特に悪化している兆しは見られない。「その他」の事業部門の営業赤字が一向に改善される兆しはないものの、全体に占めるウエイトが小さいため、さほど注意する必要もない。足元の経営状況では、順調に推移していると言える。 また、04.8期には、当期赤字に転落しているが、これは、米国セオリー社の買収に伴う営業権の一括償却等によって、約19億円の特別損失を計上したことによるもの。買収によって発生した営業権の償却を以降の複数年度にまたがって償却せずに、上場前の段階で一括処理したことについては、むしろ積極的に評価すべきと考える。 なお、当社では、春夏物の単価が安いことから、下期(3月〜7月)の経費率が上昇する傾向にある。売上高の上下比率はほぼ同等だが、上期の営業利益率は、03年8月期で約58%、04年8月期で約62%と、上期での営業利益で、年間のほぼ6割が計上されている。 ファーストリテイリング社との資本関係〜FR社との直接競合は無い模様 当社は03年9月に米国セオリー社を買収したが、その際、ファーストリテイリング社(以下、FR)と共同で買収しており、当社とFR社の買収対象会社に対する持ち株比率は、それぞれ44.4%としていた。その後、当社は04年1月にFR社に対して第三者割当増資を実施し、その資金をもって、当時FR社が保有していた米国セオリー社の株式を買い取る形としている。この結果、米国セオリー社は、当社の完全子会社となる一方、FR社は、当社の株式のうち47.1%を保有する大株主となっている。 FR社が大株主となっていることに関して、当社見解では、「ユニクロ」等との直接の競合・依存関係にもなく、また経営戦略がFR社の意向に直接左右されることはないとしている。 また、05年5月時点でのFR社の当社株式の持分比率は43.1%となっており、当社はFR社の持分法適用関連会社となっている。
当社は02年9月に1:5、05年3月に1:4の株式分割を実施し、05年3月時点での発行済み株式数は、59,520株となっている。これに加えて、今回の上場にあたっての公募分が11,000株ある。また、上場時の売出し分2,800株の外数で、1,980株のオーバーアロットメントによる売出しの可能性があり、この分には、第三者割当によるグリーンシューオプションが主幹事証券会社である日興シティグループ証券に対して、付与されている。更に、ストックオプションの未行使残高が下表のように、8,920株ある。ストックオプションについては、全数が潜在株式と想定し、以上を合計して、上場時点での発行済み株式数は、81,420株とした。 【表6 ストックオプションの未行使残高の状況】 決議年月 対象株式数 行使価格 行使期間 02年7月 6,400株 14,000円 04年8月〜12年7月 02年9月 328 14,000 04年10月〜12年9月 03年10月 1,200 262,500 05年9月〜13年9月 04年8月 956 262,500 06年8月〜14年8月 04年10月 36 262,500 06年8月〜14年8月 合計 8,920 注記:05年9月〜06年9月の期間については、各割当のうち1/3のみが行使可能。06年9月11日以降は、全数の行使が可能。 なお、増資資金の使途については、@米国・欧州でtheory旗艦店を出店、A日本・米国における直営店舗網拡大、B店舗網拡大をサポートする情報システム拡充、を主要な分野として投資する方針。
当社のHPには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。内容としては、事業概要と財務ハイライトだけで、逆に上場に関する資料が掲載されていない状態となっている。現在の時点で財務ハイライト等が掲載されている点については、今後の開示にも一定の期待が出来ると考えられ、評価できる項目である。 |
|||||
本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||